2012年に読んだ本あれこれ
今年も色々な本に出会えました。来年は、どんな本に出会えるか楽しみですござんす。
◯小説関連
今年は何と言っても「松浦理英子」イヤーでした。3月に読んだ『ナチュラル・ウーマン』はとてもとても素晴らしく「今年はこれ以上の作品に出会えるのか」と感想をtwitterで書いたけれども、やはり出会えなかった笑。松浦作品は、だいたい全て今年読んだけれども、どれもこれも抜群に面白い。著者自身も明言しているように、どの作品でも性器結合主義批判が徹底的に展開されている(一番新しい作品の『奇貨』では、男女間の「友愛」が描かれる)。どのように作品を受取っていいものかまだまだ自分の中で消化しきれていないけれども、しかし、圧倒的に面白いことは間違いない。何度も読んで自分のなかで熟成させていきたい。
中でも、やはり
- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1994/10
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- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/10/05
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- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/04/05
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- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/04/05
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あとはこれ
- 作者: マーセル・セロー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/07
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あとは、紀行文関連で石川直樹さんの『全ての装備を知恵に置き換えること』
- 作者: 石川直樹
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/11/20
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◯映画関連
何と言っても個人的には、今年は『ゴダール 映画史』が文庫化されたことでしょう。それにちなんで清水の舞台から飛び降りる覚悟で買った『ゴダール全評論・全発言?』こちらもまだ全てを読めていないけれども、面白いっす。特に、アウシュビッツと映画に関して発言するゴダールの発言は、下でも紹介するユベルマン『イメージ、それでもなお』でも取り上げられており熟読必須です。
- 作者: ジャン=リュックゴダール,Jean‐Luc Godard,奥村昭夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/02/01
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- 作者: ジャン=リュック・ゴダール,奥村昭夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/03/25
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- 作者: 蓮實重彦
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2008/09/27
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- 作者: 蓮實重彦
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2008/11/17
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◯学術関連
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』がとてもとても刺激的でした。《地獄からもぎとられた4枚の写真》の展示展を巡って沸き起った、ショアーの表象(不)可能性についての議論。20世紀に出現したこの「イメージ」という奇特な現象に対して、その肯定的側面と負の側面、その両側面をきちんと論じ(イメージの〈二重の体制〉)ながら、「それでもなお」、ショアーの表象不可能性を論じあらゆるイメージの存在を否定することで、この問題を論争不可能なレベルにし神学にしてしまおうとする一群(=ランズマン派)に抵抗し、イメージが有する可能性から、ショアーの表象可能性を力強く論じようとする好著。とてもとても面白かった。
イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
- 作者: ジョルジュ・ディディ=ユベルマン,Georges Didi-Huberman,橋本一径
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/08/08
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- 作者: 松浦寿輝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/02
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盲目と洞察―現代批評の修辞学における試論 (叢書・エクリチュールの冒険)
- 作者: ポールド・マン,Paul De Man,宮崎裕助,木内久美子
- 出版社/メーカー: 月曜社
- 発売日: 2012/09/01
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もう一つ。本書、冒頭に引かれているプルーストの言葉がとても良いです。
あとは、以下の本もとても刺激的だった。
- 作者: 市野川容孝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/10/26
- メディア: 単行本
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- 作者: 市野川容孝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/06/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義
- 作者: カトリーヌマラブー,Catherine Malabou,桑田光平,増田文一朗
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2005/06
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- 作者: 佐藤嘉幸
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2009/12
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- 作者: 真木悠介
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/10/11
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官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵 (2011-09-25T00:00:00.000)
- 作者: 野口雅弘
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/09/22
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来年は、経済と精神分析をもういい加減、きちんと入門する。