2012年のベスト3な邦画

極私的総論。
今年は、あまり邦画を見ませんでした。年始一発目の園子温監督『ヒミズ』が自分にとっては、あまり良くなかったこと。西川美和監督の『夢売る二人』も前三作に比べてあまり面白くなかったなど、期待はずれもいくつか。それに今年は(あくまで勝手に)日本映画界の双璧だと思っている黒沢清監督と青山真治監督、どちらもとも作品を発表されなかったことも大きかった気が。しかし、出自が同系列の周防正行監督『終の信託』は取り扱う問題が時期的にもベストでいつもながらの堅実な作りでとても楽しめた。そういえば『ヘルタースケルター』を見れていないことは反省・・・。
総じて邦画全体では、パッとしない1年であったように思う。めっっっっさつまらん邦画にも出会っていなかったので、ワーストは割愛。
来年に期待しよう。。。

そんな中で、今年の邦画は何と言っても・・・

◯ベスト3

監督:吉田大八
主演:神木隆之介橋本愛東出昌大

これ。劇場で見て、椅子から転げ落ちそうになった。むちゃくちゃ面白かったし、とてつもない完成度にエンドロールでスタンディング・オーベーションしたい衝動に駆られた。よく指摘されるようにガス・ヴァン・サント監督の傑作『エレファント』で用いられる方法論を見事に取り入れた青春群像劇。高校生という微妙な年頃と学校というあの奇妙なほどに閉鎖的な空間の息苦しさをとてもとても丁寧に描いている。
これは個人的には十年に一度出るかでないかぐらいの大・大・大傑作だと思います。
それと橋本愛の美しさ/かわいさだけで、ご飯3杯いけますね。


監督:北野武
主演:ビートたけし西田敏行三浦友和加瀬亮

そして、これ。北野作品は一時期、狂ったように見続けて今でも初期作品は偏愛するけれども、ここ最近(あの三部作)はあまりというか全然「面白い」と思えなかっただけに、この作品はただただ単純に面白かったので、すこぶる嬉しかった。この作品を見た後に改めて『アウトレイジ』を早急に見返したのだが、その余韻からか初見とは印象が違いとても面白かった・・・笑。


監督:三池崇史
主演:伊藤英明二階堂ふみ染谷将太

何だか某アイドルがトンチンカンなことを仰っていて、とてもとてもかわいらしく純粋な子ねーと微笑ましく思うのですが、身も心も小汚い私目はこの映画大好きです。かつて興奮して、何度も見た深作欣二監督『バトル・ロワイヤル』を想起せざるをえない、これぞ映画的体験という爽快感とカタルシス。三池監督の作品は、初めて見たのだが、こんなにも面白いのか!と。他の膨大な作品群も見てみたいと思った。