映画『桐島、部活やめるってよ』
ってことで、早速、昨日見てきた
『桐島、部活やめるってよ』(監督:吉田大八、脚本:喜安浩平)である。
抜群に面白い。今年の夏映画はハズレ映画(『ダークナイト ライジング』『アベンジャーズ』)が多かっただけに、嬉しかった。しかも、日本映画。
既に色々なところで指摘されているが*1、本作は、明らかにガス・ヴァン・サント監督『エレファント』から影響を受けている。この『エレファント』という作品も傑作で、ここで使われている手法を見事に取り入れて、10代の少年・少女らの外見的には何事もなくやり過ごしているように見える少年/少女らが向き合っている、あの何ともいえないあの学校共同体の閉鎖性(スクールカーストという言葉を初めて知った)と独特の不気味さみたいものの群像模様で巧みに描きだす。あぁ、これ僕が高校生の時もあったと思うようなシーンが多々あった。『エレファント』の手法を用いつつ、高校生特有の息詰り感みたいなものを巧みに描き出していることに成功しているだけで、もう素晴らしいと思うのだが、ストーリーも良かった。
なんといっても桐島の〈不在〉が徹底されているところがいい。桐島って本当に実在しているのか?と思わせるほどに、その〈不在〉が徹底されている。原作を読んでいないので、原作ではこの部分がどうなっているのかわからんが、この徹底さが見事だと思う。この桐島の〈不在〉が何を意味しているのか、もう少し自分なりに考えてみたいところである。
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*1:空中キャンプさんが指摘してますね。http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20120812