本『定本 真木悠介著作集Ⅳ 南端まで』

普通の「旅」の本としてもこれは読むことはできるだろうが、恐らくそのような目的でもって、この本を読む人はいないであろう・・・。多くのこの本の読み手は、社会学真木悠介の仕事の一つとしてこの本を受容しようとするだろう。僕もそうであったけれど、しかし、それだけではとてももったいない内容であると思う。とてもみずみずしい、きれいな文章が随所に散見されるし、本当に素晴らしい一つの「旅」の本であると僕は思うからだ。学術書とか社会学の本でなく、単に「旅」の本としても本書は十分に読めるだろうし、そのように読むべきであるようにも思える。
「狂気としての近代」「方法としての旅」は、僕の新しい旅の本のバイブルになった。『気流の鳴る音』と並ぶ大傑作だと思う。